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野鳥観察の始め方 - バードウォッチング入門

野鳥観察は、自然豊かな日本で手軽に始められる趣味の一つ。四季折々の野鳥の姿を観察することで、日々の暮らしに癒しと発見をもたらします。

公開日 最終更新日

ビジュアル紹介

昼間にコイン式望遠鏡を使う男性
Photo by Slim Emcee on Unsplash
黒い頭の鳥が散水器の上に止まっています
岩の上に置かれた双眼鏡
黒いデジタル一眼レフカメラを持つ黒いジャケットの男性
密林で写真を撮る女性
黒い陶器のマグカップで飲む白いTシャツの男性
Photo by Rich Font on Unsplash
湖を望遠鏡でのぞく男性
枝に止まる鳥たち
緑豊かな野原に立つ2人の男性
遠くを望遠鏡でのぞく男性
餌箱の上に止まる鳥
餌箱の上に鳥が止まっています
岩の上に置かれた双眼鏡
Photo by John Vowles on Unsplash
野原で写真を撮るカメラを持った男性
Photo by Leo_Visions on Unsplash
青い羽の小鳥が金属の棒に止まっています
Photo by Ron Tingen on Unsplash
2羽のベージュ色の鳥
公園でビンテージカムコーダーで撮影する男性
緑の植物の上に止まる鳥
木の枝の上に止まる鳥
森の中の岩の上に止まる鳥
Photo by Woody Yan on Unsplash

期待

初めての野鳥観察会に参加する前日、私は期待と不安で胸がいっぱいでした。近所の書店で購入した『はじめての野鳥観察』を読みながら、どんな鳥たちに出会えるか想像するだけで、楽しみでなりません。初心者向けの観察会とはいえ、ちゃんと見分けられるか少し心配でした。

朝4時半、まだ薄暗い中を自転車で出発。集合場所の近くの公園には、私と同じように初めて参加する方や、立派なレンズを構えたベテランの方々が集まっていました。ガイドの方が「今日はシジュウカラやメジロ、運が良ければキビタキにも会えるかもしれませんね」と笑顔で話すのを聞き、ますます楽しみになってきました。

没入

森の中へ足を踏み入れると、あちこちから小鳥のさえずりが聞こえてきます。ガイドの方が「ほら、あの木の枝にシジュウカラがいますよ」と教えてくださいました。双眼鏡をのぞくと、黄色いお腹に黒いネクタイ模様の可愛らしい小鳥が、器用に枝を飛び回っています。「チュリチュリ」という鳴き声が、朝の森に響き渡ります。

しばらく歩いていると、池のほとりで青い宝石のようなカワセミを見つけました。その鮮やかなコバルトブルーの羽は、朝日に照らされてきらめいていました。思わず「あっ」と声を上げそうになりましたが、周りの方々が静かに見守る中、息を殺して観察を続けました。水しぶきを上げて飛び立つ瞬間の美しさは、まさに自然の芸術作品のようでした。

振り返り

観察会が終わり、近くの喫茶店で一息つきながら、撮影した写真を見返していました。短時間で多くの種類の野鳥を観察できたことに驚きました。特に印象的だったのは、カワセミの美しさと、自然の中に溶け込む静かな時間の流れでした。

帰り道、ふと空を見上げると、今まで気にも留めなかった鳥の声が耳に入ってきました。駅前のビル街でも、街路樹に小鳥が止まっているのを見つけ、「あれはきっとスズメだな」と自然と目で追ってしまいます。野鳥観察を始めてから、身の回りの自然がより鮮やかに感じられるようになった気がします。次は一人で新宿御苑に行ってみようと、早速図書館で野鳥図鑑を借りることにしました。

自然の中でのんびりと過ごす時間は、日々のストレスを和らげ、心をリフレッシュさせてくれます。野鳥のさえずりを聞きながらの散歩は、心身のリラックスに最適です。
季節ごとに姿を変える野鳥を観察することで、自然の移り変わりを身近に感じられます。都会にいながらも、四季折々の自然の営みを感じることができます。
鳥の動きを追い、特徴を観察するプロセスは、集中力を高めるトレーニングにもなります。
野鳥を探して歩き回ることで、自然と運動量が増え、健康的な生活を送るきっかけになります。
同じ場所でも季節や時間帯によって見られる鳥が変わるため、毎回新しい発見があります。
野鳥観察会に参加することで、同じ趣味を持つ仲間と出会い、情報交換ができます。
野鳥の生態を観察することで、自然環境への理解が深まり、環境保護への意識が高まります。
鳥のさえずりを聞き、姿を探し、自然の香りを感じることで、普段使わない感覚が研ぎ澄まされます。
  1. まずは自宅のベランダや近所の公園で、身近な鳥を観察してみましょう
  2. 初心者向けの野鳥観察会やツアーに参加するのがおすすめです
  3. 基本的な野鳥の見分け方(大きさ、色、鳴き声、飛び方)を学びましょう
  4. 観察記録をつける習慣をつけましょう(日時、場所、天気、見つけた鳥の種類など)
  5. 野鳥観察アプリを活用して、見つけた鳥の名前を調べたり記録を残しましょう
  6. 徐々に観察エリアを広げ、季節ごとの変化を楽しみましょう
  7. 地域の野鳥の会などに参加して、知識を深めましょう
  8. 観察のマナーを守り、自然環境に配慮した観察を心がけましょう
  • 双眼鏡(初心者向けの標準的なもの)
  • 野鳥図鑑(フィールドガイド)
  • 動きやすい服装と歩きやすい靴
  • メモ帳と筆記用具(防水タイプがおすすめ)
  • 飲み物と軽食(ビニール袋も持参)
  • 日焼け止めや虫除けスプレー
  • 折りたたみ椅子(あると便利)
  • 雨具(折りたたみ傘やレインコート)

野鳥観察の際は、以下の点にご注意ください。 - 野生動物に近づきすぎない(5m以上離れる) - 静かに観察し、鳥を驚かせない - ゴミは必ず持ち帰る - 私有地には立ち入らない - 長袖・長ズボンで虫除け対策を - 天候に合わせた服装で - 水分補給を忘れずに - トイレの場所を事前に確認 - 携帯電話のマナーモード設定

初心者の方には、8-10倍の倍率で、対物レンズが30-42mm程度のコンパクトな双眼鏡がおすすめです。重すぎず、手ぶれが少ないものを選びましょう。価格帯は2万円前後からありますが、最初はレンタルを利用するのも手です。
早朝(日の出から2-3時間)が最も活発に鳥が活動する時間帯です。夕方も観察に適していますが、夏場は早朝が涼しくておすすめです。
スズメ、ハト、カラス、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリなど、身近でよく見かける鳥から覚えるのがおすすめです。特にスズメは日本全国で見られ、観察しやすいです。
野生の鳥に餌をあげるのは控えましょう。自然の生態系を乱す原因になります。観察はあくまで自然のままの姿を楽しむことが大切です。
冬は木々の葉が落ちて見通しが良くなり、野鳥を観察しやすくなります。また、冬鳥が日本に渡ってくるため、普段見られない種類の鳥を観察できるチャンスです。
はい、都心の公園や緑地、川沿いなど、都会にも多くの野鳥が生息しています。特に水辺がある場所は野鳥が集まりやすいです。都市の公園や都心の公園など、都心のオアシスでも様々な野鳥を観察できます。
双眼鏡、野鳥図鑑、メモ帳、筆記用具、飲み物、タオル、雨具などがあると便利です。動きやすい服装と靴でお出かけください。特に足元は滑りにくい靴がおすすめです。
最初は特徴的な鳴き声の鳥から覚えていきましょう。例えば、ウグイスの「ホーホケキョ」やシジュウカラの「ツーピーツーピー」など。録音した音声を聞き比べたり、鳴き声の特徴を言葉でメモするのも効果的です。
シャッター音を消し、フラッシュは使用しないでください。鳥を驚かせないよう、適度な距離を保ちましょう。初心者の方は、まずは動きの少ない鳥から練習するのがおすすめです。
静かに行動し、鳥を驚かせないことが基本です。ゴミは必ず持ち帰り、自然環境を大切にしましょう。他の観察者の邪魔にならないよう、配慮することも忘れずに。
子ども向けの図鑑を用意し、身近な鳥から探すゲーム感覚で楽しむのがおすすめです。無理のない範囲で、子どもの興味を引き出す工夫をしましょう。例えば「今日は何色の鳥を見つけよう」とテーマを決めるのも楽しいです。
自然に溶け込む色合いの服がおすすめです。動きやすく、季節に応じた防寒・防暑対策を忘れずに。虫除け対策もお忘れなく。特に夏場は帽子やアームカバーがあると便利です。
初めての方は、まずはガイド付きのツアーに参加するのがおすすめです。プロのガイドがいると、初心者でも様々な野鳥を見つけやすく、生態についても詳しく教えてもらえます。
一年中楽しめますが、特に春と秋の渡りの時期は、普段見られない渡り鳥を観察できるチャンスです。春は繁殖期でさえずりが盛んな時期、冬は木々の葉が落ちて見つけやすい時期です。

双眼鏡を片手に、身近な自然へ出かけよう!