絵を描く｜初心者でも楽しめるお絵描きの基本とコツ

期待

久しぶりに文房具店でスケッチブックと鉛筆を買い揃えた。子供の頃はよく落書き帳に絵を描いていたが、社会人になってからはすっかりご無沙汰だ。絵心がないと諦めていたが、ふと絵手紙のことを思い出した。完璧を求めず、気持ちを込めて描けばいいんだと気づいた。まずは机の上の湯呑みを描いてみることにした。和紙のような風合いのスケッチブックに、鉛筆を走らせる。最初の一筆がなかなか出てこない。

深呼吸をして、湯呑みの形をじっくり観察する。縁の丸み、取っかの角度、光の当たり方...普段何気なく使っているものにも、こんなにたくさんのディテールがあることに気づいた。子供の頃のワクワク感が少しずつ戻ってくる。上手く描けなくても、まずは楽しむことを心に決めた。

没入

鉛筆が紙の上を滑る音だけが部屋に響く。湯呑みの影の濃淡を表現するため、鉛筆の濃さを変えながら描いていく。ふと、子供の頃に通っていた書道教室を思い出した。筆の運びと同様、鉛筆のタッチも呼吸と一緒だ。力を抜いて、リラックスして...と自分に言い聞かせる。

描いているうちに、湯呝みの模様が気になってきた。普段は何気なく見ていた藍色の模様が、実は複雑な曲線で構成されていることに気づく。時間の経つのも忘れ、夢中で描き続ける。肩が少し凝ってきたが、心地よい集中感に包まれている。ふと窓の外を見ると、桜の花びらが舞っていた。春の訪れを感じながら、その一瞬をスケッチに取り込みたくなった。

振り返り

完成した絵を見て、思わず笑みがこぼれた。決して上手いとは言えないが、自分なりに一生懸命描いた絵には愛着がわく。絵を描いている間は、仕事のことはすっかり忘れていた。まるで瞑想をしているような、心が洗われるような感覚だった。

この体験を通じて、絵を描くことは単なる趣味ではなく、自分を見つめ直す時間でもあると気づいた。次は庭に咲いている花を描いてみようと思う。絵を描くことで、日常の何気ない瞬間も特別なものに変えられる。きっと、これからもっと絵が好きになる気がする。

1. 身近な小物（湯呑みや果物など）を1つ選ぶ
2. 鉛筆を正しく持ち、軽いタッチで大まかな形をとる
3. 細部にこだわらず、全体のバランスを見ながら描く
4. 陰影をつけて立体感を出す
5. 毎日10分でもいいので、継続して描く習慣をつける
6. 上手く描けなくても気にせず、楽しむことを心がける
7. 完成したら、良かった点を見つけて自分を褒める
8. 気に入った作品は、大切に保管する

• 鉛筆（HB、B、2Bの3本セットがおすすめ）
• スケッチブック（A4サイズ程度）
• 消しゴム（プラスチック消しゴムと練り消しゴム）
• 鉛筆削り
• ティッシュ（指でこする際に使用）
• 15分以上の集中できる時間
• 明るい照明
• リラックスできる環境

絵を描く際は、正しい姿勢を保ち、30分に1回は休憩をとりましょう。小さなお子様がいる場合は、画材の誤飲にご注意ください。