ショッピングと交換で広がる新しい世界 | サステナブルな買い物体験
古着屋巡りからオンラインショップまで、モノを選び、手放すことで新たな世界が広がります。サステナブルな消費を楽しみながら、思いがけない掘り出し物との出会いを体験しましょう。
ビジュアル紹介
期待
初めてのフリマ出店に向けて準備を始めました。前日から押し入れを探り、学生時代の洋服や読み終わった本をピックアップ。祖母から譲り受けたというヴィンテージの着物も、ずっとしまったままでした。「誰かの役に立てるかも」と思うと、なんだか胸がワクワクします。早朝に起きて、温かいコーヒーを買い、会場へ。空がまだ薄暗い中、テントを張る人々の姿がありました。
うまくいくかどうか心配でしたが、隣のテントのおばあちゃんに初めてだと伝えると、励ましてくれて少し緊張がほぐれました。商品を並べながら、それぞれの品物にまつわる思い出がよみがえります。大学のサークルで着ていたパーカー、海外旅行で買ったアクセサリー…。一つひとつに物語があるなかで、「手放すことで新たな出会いが生まれる」という言葉を思い出しました。
没入
開場と同時に、思いがけず多くの人が集まってきました。特に目を引いたのは、私の出していた着物を手に取った女性。素敵な柄だと目を輝かせ、着物リメイクの材料に使いたいと話していました。着物について話していると、周囲の人々も興味を持って聞いてくださいました。
お昼時には、隣のテントで焼きそばのいい香り。地元の農家の方が作ったという新鮮な野菜も並び、まるで小さな縁日のようです。買い物客との会話から、地元のカフェやおすすめのリサイクルショップの情報も教えてもらいました。日差しが強くなってきた頃、小さな女の子が私の出していた絵本をじっと見つめています。その子は、母親に読んでもらった本だと教えてくれました。とつぶやく声に、思わずその本を差し出すとと手渡すと、満面の笑みでとても喜んでくれました。と飛び跳ねて帰っていきました。
振り返り
日が傾き始め、片付けをしながら一日を振り返ります。思った以上に品物が減り、お財布には予想外の収入が。でも何より嬉しかったのは、それぞれの品物が新たな持ち主の手に渡り、喜んでもらえたことです。祖母の着物はリメイクされて新たな命を吹き込まれるそうで、なんだかほっこりした気分になりました。
帰り道、ふと気づくと、いつもはスマホばかり見ていた道端に、素敵な古本屋さんがあることに気がつきました。フリマで知り合った方に教えてもらったお店です。モノを手放すことで、新たな出会いや発見が生まれる。そんな当たり前のことを、改めて実感した一日でした。次回はもっとたくさんの人に喜んでもらえるよう、今度は友達も誘って出店してみようと思います。きっと、また新しい物語が生まれるはずです。