インクルーシブイベント | 多様性を楽しむ新しい体験
年齢や障がいの有無に関わらず、すべての人が共に楽しみ、学び、つながるインクルーシブな体験をお届けします。多様性を認め合う温かいコミュニティが広がっています。
ビジュアル紹介
期待
インクルーシブイベントに参加する時、初めての方は少し緊張するかもしれません。主催者から届いたメールには「何も準備はいりません。そのままのあなたでお越しください」と書かれており、安心したことを覚えています。前日は、会場のアクセス情報を何度も確認し、電車のバリアフリー経路を調べました。スマートフォンで会場の写真を見ながら、どんな方々と出会えるのかと楽しみにしていました。当日の朝、駅のエレベーターで車椅子の方と一緒になり、同じイベントに参加されることを知り、緊張がほぐれていくのを感じました。
会場に近づくにつれ、手話通訳の方が立っているのが見え、点字ブロックが丁寧に敷かれているのを確認しました。受付では、スタッフの方が笑顔で「お待ちしていました」と出迎えてくれ、名札には「ゆっくり話してください」や「筆談でお願いします」などのサポート情報を記入できるようになっていました。周りを見渡すと、年齢もバックグラウンドも様々な方々が、和やかに会話を楽しんでいました。
没入
ワークショップが始まると、会場には笑い声と活気が溢れました。目隠しをしてのアート体験では、視覚障害のある方とペアになり、手触りだけで粘土を形作るという挑戦をしました。最初はうまくいかないと焦りましたが、パートナーの方が「お急ぎにならず、ご自分のペースで結構です」と優しく声をかけてくださり、次第にリラックス。粘土の冷たさや柔らかさ、形の変化を楽しむうちに、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされていくのを感じました。
お昼休みには、車椅子の方と一緒にランチをいただきました。普段は気に留めない段差や通路の広さに改めて気づかされ、街のバリアフリーについて話が盛り上がりました。午後のダンスワークショップでは、車椅子の方も立って踊る方も、それぞれの動きを楽しみながら、音楽に合わせて一体感を感じる素敵な時間を過ごしました。特に印象的だったのは、手話で歌を表現する「手話コーラス」で、言葉の壁を超えた美しいハーモニーに心が震えました。
振り返り
帰り道、電車の窓に映る自分の表情が、朝とは違って明るくなっているのに気がつきました。この一日で、私の中の「障がい」に対するイメージが大きく変わりました。特別なことではなく、ただの「個性」の一つなのだと。家に着くと、早速家族に今日の体験を話しました。家族に勧めたいと思うほど、充実した体験でした。
それからというもの、街中で車椅子マークや点字ブロックを見かけると、自然と目が行くようになりました。そして何より、自分から積極的に声をかける勇気が持てるようになりました。次回のイベントでは、初めて参加される方に、私が温かく迎えられるような存在になれればと思っています。この体験を通じて、多様性こそが社会を豊かにするということを、身をもって学ぶことができました。